【11】 存在論としての超越論的現象学

超越論的現象学は、アプリオリな諸学の体系的統一を可能とする普遍的存在論を実現する。

現象学は、客観的存在者だけでなく、あらゆる可能的な存在者(存在者一般)に関するアプリオリな学である。
というのも、存在者一般は、その存在意味と妥当とを、対象と相関的な志向的構成から汲み取られるものだからである。このことは超越論的主観自身にさえも妥当する。

それゆえ現象学は、実証科学の存在論と異なり、普遍的な存在論を形成しうる。*1