2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

  常識への反駁  

「常識という堅牢な城を陥落させるには、外から矢を放っても駄目である。 城の内側に入り込み、内側から崩壊させねばならない」 常識とは、我々にとってもはや生得的ともいえる世界の見方である。それを反駁するのは並大抵のことではない。ある常識に異議を…

  心脳問題メモ  

「外部の刺激が脳に達し、脳内ニューロンをある状態とする。その結果、知覚風景が現れる」モデル化すれば、「物→脳→物の見え(心像)」このモデルにおいては、「物の見え」の最終的な根拠は脳内ニューロンの発火状況のみであり、外部の「物」や「電気信号」…

  物理学の世界観  

物理学が対象としている世界は、物自体の世界か? それとも現象界か?物理学者は物理法則を物自体の法則と考えていない。むしろ、物自体のような世界を想定することを形而上学として嫌悪している。といって、人間の認識を通した現象界というのとも違う。基本…

機械的決定論は、語の異なった用法を混同したゆえ生じる

機械的決定論 :「物質である脳から心が生まれてくるから、心は全面的に物質の法則に規定されている。そして、物質の法則は決定論を導くゆえに、心を含めた世界全体も未来永劫決定している*1 この偽りの理論は、ある語の異なった用法を混同したゆえに起こる…

  決定論への反駁  

話を少し中断して、決定論への反論を考えた。しかし、これでは反駁に不十分である。ただし、「物質」の二つの意味の区別を明確にしておくことは重要であると考える。

「本物−見え」論者からの反論

以上の指摘に対して、唯物論的思考をもつ脳生理学的二元論者は次のように反論するだろう。「なるほど。我々が知覚している世界は、確かに、脳によって産み出された見えの世界である。それは認めよう。しかし、それが即、観念論に結びつくわけではない。この…

唯物論者は観念論者か?

現代科学の花形、脳生理学を保証人に持つこの「本物−見え」の世界観は、よく考えてみれば、オカルト的な奇妙さで成り立っていることがわかる。「本物−見え」の世界観とは、簡略化して言えば、「外部にある本物の世界からの信号を私の身体が受け取り、それを…

僕の問い 「本物−見え」の世界観 

さて、新しい場で始めるにあたって、原点に戻って考えようと思う。それは、次の問いである。 「はたして、脳が心や世界を生み出すのだろうか?」これは、「物質から心が生まれるのか?」と言い換えてもいい。通常我々は世界を、「物質」と、感情や思考といっ…