【10】 超越論的現象学に対する予備学としての純粋心理学

超越論的現象学の体系的な展開は、純粋心理学(現象学的心理学)のそれから独立してある。他方、純粋心理学は、超越論的現象学の予備学として有用である。

哲学と心理学の歴史は、哲学の最終形態である超越論的現象学に至る道程であった。*1

自然的見方(科学)と対立する超越論的哲学を、それ自体で独立する体系として構築し、そこにおける超越論的教説を純粋心理学や自然科学の教説へと変換する可能性を示さなければならない。