【 パラダイム 】
「パラダイムとは、科学者集団が共有している一連の概念装置や、様々な実験手続きなどを含めた「科学研究の規範目録」。パラダイムが問題そのものを産み出し、さらにその問題解決の模範例を示す。(専門母型、見本例)。パラダイムが制度化、固定化される中で(通常科学)、変則事項が生じ、それが臨界点に達すれば、規制のパラダイムに対し、新たなパラダイムを産み出す。」
【パラダイムの特徴】
- 真理はパラダイムによって相対的なものであり、従来の(パラダイムを離れての)客観的な事実を論ずることは意味がないとする相対主義。ハンソンの言葉を使えば、科学者は「理論負荷的*1」な事実を眺めている。
- あるパラダイムの中で決められた観察や実験に関する手続きから独立に、事実を決めることはできない。
- パラダイム間の共約不可能性(翻訳不可能)*2
【反論】
【問題点】
- パラダイムは、科学的生産を行う一つの科学機械であり、科学者達を否応なく巻き込む装置。資本主義のシステムと類似。それに属さずして研究はありえない。純粋にフリーの立場で真理を探究するのは、制度上からも意識の上からも不可能である。
【科学理論の基準】
(『現代思想'85.7』 大森、野家、柄谷対談)
(04/3/14)