1. 体系とはどういう意味か(『講義』p65_5)

体系は次の三つの性質を併せ持つ。
  1-1.内的な結構   : 存在そのものの結構と結合を知の形に接合
  1-2.外的な寄せ集め :手持ちの知を配列、分類。教科書
  1-3.枠組み     :その中間

真の体系は「内的な結構」である。

「体系とは、あらゆる知を可能にする根源的な知の枠組みである。我々が
ある存在者を認知するためには、あらかじめ存在という概念を了解しておかねば
ならない。この先行する存在了解こそ体系である。人は存在者をここに企投する
ことにより、存在者の存在を認識する。この企投の構造が真の世界観であり、
体系である」

ギリシア哲学は体系のない偉大な哲学であり、中世の大全は「外的な寄せ集め」
による(真ならざる)体系である。