【4】 形相的還元および形相的な学としての現象学的心理学

現象学的心理学には、(これまで述べた)事実的な領域を扱う方法(現象学的還元)と、アプリオリで本質的な領域を扱う方法がある。

後者が「形相的現象学」である。
現象学においては、事実性の探求よりも本質性のそれがより重要である。心理学的現象学は、この「形相的現象学」によって基礎づけられねばならない。*1

  現象学的心理学┬─ 心理学的現象学(事実性を扱う)
               └─ 形相的現象学(本質を扱う)

現象学的還元が、現実的、かつ可能的な内的経験の諸現象に至る道を与え、形相的還元は、純粋に心的な領域の不変的な本質諸形態に至る道を与える。