4 相互作用同時性の原理 

●4-1
因果性」 p117
記述の枠組み(自然法則における記述の枠組み=時間、空間、要素、相互作用)を決定する原理
因果性とは、そのシステムのある時刻τにおける状態が与えられた時、その状態において、またその状態のみから、その系のτ+dτ(微小時間後)における状態を導出できるという原理である。

●4-2
相互作用同時性の原理は、因果性から導かれる p118
記述の枠組みは、予め決まっていない。各感覚の様相において認識が成立する空間や時間の枠組みが
どのように作り上げられるかが本質的 →コペルニクス的転回
相互作用同時性は、時間の構成法を与える原理。
固有時τ、 座標時t、世界線 p119
「相互作用同時性の原理」
  :相互作用の世界線に沿っては、固有時は経過しない。
因果性の要求を満たすように時空構造を構築しようとすると、座標時tだけでは不適当で相互作用同時性の原理に基づいて構築された固有時τを用いなければならない。座標時tと因果性を両立させようとしたら、世界に記憶装置が必要となる。(そしてそれはない)

●4-3
世界に記憶装置はない。p124
よって、世界は自分自身で過去から未来へと発展していかねばならない。その因果性が満たされるためには相互作用が伝播する間に時間が経過してはならないのだ。

●4-4
「固有時τ」 p124
相対性理論において、光の伝播する世界戦に沿って固有時は経過しない。 p124
自然法則にとって本質的な時間は、固有時τ。その根源的な理由は、世界が因果的にできているから。私が見ている10億光年先の銀河は(τにおいて)、今の銀河である。

●4-5
脳内Nの発火状況についても、tでなくτを用いる。p127
脳を外部から観察するならば、tでも記述できる。しかし、認識のN原理より、私の心は、私の脳を外から観察することによっては決定されない。そのためにはτが必要。

●4-6
τは、心理的時間の流れの性質を決定する原理である。 p128

●4-7
t⊃τ p128

●4-8
相互作用同時性の原理に基づく心理的時間 p131
1. 認識における瞬間、すなわち最小の時間の単位は、「ニューラルネットワークの大きさ/アクションポテンシャルの伝達速度」  =20cm/2m/s=100ミリ秒
2. 隣り合う心理的瞬間の間には重なりがある。

●4-9
心理的時間の性質 p133
1. 最小単位がある
2. それにもかかわらず時間の流れ自体は連続的である。
3. 隣り合う心理的現在の間には、重なりがある。 p134
   固有時τにおける今と、固有時τ+dτにおける今は互いに独立でなく、重なり合っている。
  隣り合う今が重なり合った、一つの連続な連なりである。
古典的時間の瞬間の点、最小単位の重なり合わず動いていくモデルの誤り

●4-10
相互作用同時性が、心理的時間の性質を決める原理である。 p136

●4-11
相対性理論」 p137
ローレンツ不変性 + 光速度一定 =相互作用同時性(τの変化0)

●4-12
ニューラル・ネットワーク(NN)における固有時の性質
相対論に比べて、複雑な時空構造となる。

●4-13
相互作用同時性のような、因果性に基づく時空構造の定式化では、非局所性(量子力学等)が含まれるのでは? p142

●4-14
問い p114
「なぜ過去は覚えているが、未来は覚えていないのだろうか?未来は変えられるのに、なぜ過去は変えられないように思うのか?