2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧
Ⅲ 絶対的な基礎づけのうちにある普遍的な学としての超越論的現象学と超越論的哲学
*1【独断論】通常言われる「独断論」とは、「理性の能力を吟味することなく、経験の内部においてのみ妥当する概念を経験を越えた対象へと適用すること」です。そしてこのカント的な定義において、世界の実在とは経験の内部において妥当するものです。しかし…
自然的態度を基とした実在論を放棄する理由は次の通りである。 あらゆる存在者の意味と存在妥当はそれ自体で存在しているわけではない。 それらは超越論的主観性の能動的・受動的能作に従って規定される。 実証科学はもちろん、数学や論理学は、研究対象──実…
それぞれの経験的な諸学問は、現象学によって基礎づけられることにより、真にアプリオリである普遍的存在論へと統一される。 実証科学の真正の形態は、超越論的還元によって基礎づけられた現象学的な形態── 経験的現象学──である。この経験的現象学は、形相…
*1【第一哲学】【第二哲学】後述 *2【諸学と哲学の関係】後述
ここにおいて伝統的な哲学──普遍的な学としての哲学──が復興される。この哲学は、次の二つの領域に分かれる。 第一哲学 形相的現象学(普遍的存在論) 第二哲学 経験的現象学(事実の全体を総合的に包括する超越論的な間主観性に関する学) 第二哲学は第一哲…
*1【超越論的経験】現象学おける「経験」とは、客観物や客観的自体についての主題的・客観的な「判断」と区別され、それらの判断に先立ち、それらを可能としている基盤としての前述語的な「経験野」のことです。(『経験と判断』)経験はたんなる事実経験で…
全ての理性的問題は、現象学のうちにある。伝統的な哲学問題は、現象学における超越論的経験 *1 と形相的直観という絶対的な源泉によってその基礎づけと解決の道程を得ることができる。現象学により、主観の目的論的構造が捉えられ *2、さらには、実践を行う…
*1【具体的な直観的所与性から抽象的な本質へと至る現象学】特定のアプリオリな原理を前提にし、そこから演算的に体系構築を試みる「上からの」哲学に反し、「事象そのものへ!」をモットーとする現象学は、「真」の顕現の場である経験野に与えられる現象を…
具体的な直観的所与性から抽象的な本質へと至る現象学は*1、古くからの哲学的対立を解消する。*2 1合理論(プラトン主義)と経験論 験論は、最も普遍的な経験論(現象学)によってのみ克服される。 2相対主義と絶対主義 対主義は最も普遍的な相対主義(現象…